1985年頃から黄河の断流が毎年起こるようになった。下流から2000km以上に渡って水が干上がり、川がなくなることである。そうなると土地の乾燥によって塩害が発生する。中国はここ50年間で穀物生産量を3倍にし、水の使用量も1950年の100億?から2000年には300億?に増加した。これは毛沢東による食糧増産計画によって実現されたのだが、今日の深刻な水危機の原因となっている。アメリカはこの中国の水危機をランドサット衛星によって宇宙から正確に把握していた。1997年アメリカ国家情報会議は「中国の農業」というレポートを作成した。これによると、「中国は2025年には1億7500万tの穀物輸入国になる。これは現在の世界の穀物輸出量に匹敵し、世界の穀物市場に大きな影響を与え、大幅な価格上昇が起こる。」
これを裏付ける様に、2001年2月15日英国フィナンシャル・タイムズは「高い自給率を堅持してきた中国がこれまでの政策を転換し、穀物輸入の比率を増加させることを検討していると伝えた。中国の穀物自給率は過去20年間平均98、6%で推移してきたが、これを2030年までに90パーセントに低下させる計画であるという」。経済協力開発機構(OECD)がまとめた中国農業政策に関する報告書の中で、中国国家発展計画委員会の高官が次のように明らかにした。「高自給率の維持政策が余剰の在庫や生産コスト増を招き、無理な作付けにより水不足などの環境問題にもつながっていることを配慮した結果だと言う。穀物自給率を向こう10年間で95パーセントに下げ、その後さらに90パーセントに下げる計画である。これにより、穀物輸入量は2010年に3300万t、2030年には6300万トン増加する見通しである。高官は自給率を低下させることで、農家が相対的な利益を考慮し、別の農産物を生産したり、他のビジネスに転進することが可能になるとしている。」
ここでも農業のミスマッチが顕著である。今日本人の食卓に中国からの安い野菜が大量に入り込んである。これらの野菜は主に黄河流域の地下水を汲み上げて成長したものである。1000年の地下水から栽培した野菜は地表の水から栽培した野菜よりはるかに高い自然価値を含んでいるはずである。しかし、野菜の価格には労働コストのみで自然価値が反映されないが故に、中国産の野菜が価格競争を制している。今まさに食糧は自立の世紀に入った。食糧安全保障が緊急の課題であるはずなのに、わが国政府はこうした農政の根本的な矛盾には目も向けずに、ネギなど特定品目の緊急輸入制限実施を決定した。まずは食糧、農政の長期計画を策定し、魅力ある農業の指針を打ち立て食糧自給率の向上に取り組むべきである。
中国経済は推定年7%成長が続き、13億人の1%弱の1200万人ずつ人口が増加している。したがって、やがては定常状態に達するものと考えられる。こうした状況において経済的富裕層が出現し、このことを示す様に肉の消費量が増えている。この事は穀物需要の増加を意味し、水不足の深刻化によって主要生産地での穀物生産量が減少しつつある中、中国は瞬く間に日本を抜いて世界最大の穀物輸入国になるだろう。水不足に直面しているのは中国だけではなく、10億の人口を抱えるインド、さらにパキスタン、エジプト、メキシコなど多数に上る。そのために世界の穀物輸入量は増加せざるを得なくなりつつあるが、中国だけは他の国と異なる状況にある。ここ数年にわたり中国経済は急速に成長し、アメリカに対して400億ドルもの貿易黒字を持つに至っている。したがって、13億の人口を抱える中国一国だけで世界の穀物市場を混乱させる要因になり得るのである。
これらの野菜は主に黄河流域の地下水を汲み上げて成長したものである。1000年の地下水から栽培した野菜は地表の水から栽培した野菜よりはるかに高い自然価値を含んでいるはずである。しかし、野菜の価格には労働コストのみで自然価値が反映されないが故に、中国産の野菜が価格競争を制している。
今まさに食糧は自立の世紀に入った。食糧安全保障が緊急の課題であるはずなのに、わが国政府はこうした農政の根本的な矛盾には目も向けずに、緊急輸入制限を検討しているらしい。まずは国民の食を確保するための魅力ある農業の指針を打ち立てその実現に取り組むべきである。
中国経済は推定年7%成長が続き、13億人の1%弱の1200万人ずつ人口が増加している。したがって、やがては定常状態に達するものと考えられる。こうした状況において経済的富裕層が出現し、このことを示す様に肉の消費量が増えている。この事は穀物需要の増加を意味し、水不足の深刻化によって主要生産地での穀物生産量が減少しつつある中、中国は瞬く間に日本を抜いて世界最大の穀物輸入国になるだろう。水不足に直面しているのは中国だけではなく、10億の人口を抱えるインド、さらにパキスタン、エジプト、メキシコなど多数に上る。そのために世界の穀物輸入量は増加せざるを得なくなりつつあるが、中国だけは他の国と異なる状況にある。ここ数年にわたり中国経済は急速に成長し、アメリカに対して400億ドルもの貿易黒字を持つに至っている。したがって、13億の人口を抱える中国一国だけで世界の穀物市場を混乱させる要因になり得るのである。